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新車の値切り方

目次

新車購入時に考えるべきこと

2013年にフォルクスワーゲンのトゥーランを税込300万円ジャストで購入した。モデルチェンジ前のお得パッケージで、本体価格350万円のところにカーナビとETCと修理の延長保証をつけた。

もっと値引きできる方もいるかもしれないが、安さを求めるのが目的ではない。数ある選択肢の中からお得な買い方を選びたい。値引きはその中の条件のひとつだ。

以下の3つのポイントをおさえてバランス良く計画しよう

値段を下げる工夫

セールスマンの方に力を借りるつもりでチャレンジしよう。やみくもに値下げをお願いしても迷惑なだけだ。

競合店との比較は有効な手段だ。値引きしなければならない合理的な理由がなければ、セールスマンとて上長に話をしにくい。

装備を充実させる工夫

カーナビが必要なのか、パーキングセンサーが必要なのか、あるいは修理保証を延長したいのか。

販売店としては、たとえば現金で20万円値引きするより装備を20万円分つけるほうのがやりやすいはずだ。装備には仕入れの原価があり、販売価格よりは低いはずだ。同じ20万円でも、原価で付けられる装備のほうが赤字になりにくい。

購入後のサポートを充実させる工夫

おもにメンテナンス保証など、クルマに乗り続けるのに必要な経費をサポートしてもらうプランもある。消耗品の交換であったり、車検時に必要な工賃をサービスしたり。機械である以上メンテナンスのコストはかかる。長い目でみて支払いの負担が少なくなるようにしたい。

またローンで買う場合は金利を交渉したりもできるらしい。が、これは試したことがないので実際のところは分からない。もし金利を低くしてもらえたりすれば、トータルで支払う金額も下がるので実質的な値引きになるだろう。

販売店(ディーラー)の仕組みを理解すること

同じメーカーの同じ車種を買うのに、複数の販売店の見積もりを取るのを不思議に思う方もいるかもしれない。販売店の仕組みを知ればきっと納得するはずだ。

販売店はクルマを販売しているお店

たとえば家電。パナソニックの冷蔵庫が欲しい場合、ビックカメラやヨドバシカメラなど好きな家電量販店で買えばいい。必要に応じて見積もりを作成してもらい、それら複数の店舗で比較して交渉してもいい。

金額だけじゃなく、配送料や長期保証などトータルで有利な条件の店舗で購入すればいい。どちらの店舗で買っても、同じパナソニックの冷蔵庫が手に入るのだ。

クルマの場合は、クルマを作るメーカーと、それを販売する販売店が同じような名前であることが多い。フォルクルワーゲンのクルマを販売している店舗は、フォルクスワーゲン○○店だったりするので、メーカー=販売店な印象を受けがちだが、実際には違うのだ。

販売店の種類はいくつかある

販売店はクルマを売るのが仕事の会社。様々な会社がある。たとえば同じトゥーランを販売する場合でも、フォルクスワーゲン直営店の場合もあるし、トヨタ系列の販売店の場合もある。あるいは地元の小さな会社かもしれない。

あの有名なベンツを買うときもヤナセだけではなく、シュテルンでも買える。ヤナセもシュテルンもベンツの販売権を持っている会社というわけだ。

販売店どうし、お互いがライバル!

どの販売店で購入しても同じクルマが買える。これは家電の場合と同じだ。各店舗で売り上げのためそれぞれが工夫をしている。どの販売店も販売の努力をしている。

販売店Aで330万円なら、それに対抗して販売店Bは320万円に値下げしてくるかもしれない。あるいはカーナビを無償で付けてくるかもしれない。

販売店によっては売り上げを簡単に諦めるところもあるかもしれないし、逆に何としてでも売りたくて頑張って好条件を提案してくるお店もあるかもしれない。車種やタイミングやキャンペーンなどさまざまな要素によって条件は違ってくる。

たとえば店舗によっては新車在庫を抱えていたりする場合がある。販売店の「仕入れ」にもノルマというか条件があったりするのだ。販売権利を得るために、ひと月に○○台仕入れます、といった条件で契約している事がある。

通常は注文が入ってから仕入れるのだが、在庫を抱えてしまっている場合なんとしてでも販売したいはずだ。在庫を減らすために赤字覚悟で値引きをしてくるかもしれない。

実際の購入手順

やるべきことをまとめよう。

車種・購入店を絞る

購入候補の車両を絞って、それを販売している店舗をいくつかピックアップしよう。複数店舗と何度も交渉するのはエネルギーがいるものだ。覚悟しよう。

それぞれのお店で見積もりを作成する

購入候補のクルマの見積もりを各店舗で作る。この見積書を比較するところから始まる。この際「ご予算はおいくらぐらいですか?」と聞かれるかもしれないが、「ギリギリの予算しかないので、他店と比較して一番条件の良いところで買います」と答えておこう。

各販売店を行き来する(2回から4回程度)

見積書を何度か作り直してもらうのは、他店と比較するためだ。販売店Aに、販売店Bで作った見積書を持っていき相談する。それを何度か繰り返し、より良い条件を引き出そう。

注意点

見積もりはどのお店でも同じ条件で作成

どの販売店でも、ひとまず同じ条件で見積書を作成してもらおう。カーナビなどオプションは付けなくてもいい。まずは純粋な車両の販売価格で比べてもいい。

特に注意が必要なのは下取り車がある場合だ。新車の値引きを大きく見せておいて、下取り車で価格調整をしている場合も考えられる。新車から10万円値引きするかわりに、下取り車を10万円安く見積もったり。

中古車買取店などで相場を調べておいてもいい。新車購入時は「買い替え」ではなく「買い増し」という体で見積もりなど交渉をするのが無難だ。

販売店は値引き競争を避けたがる

販売店によっては、値引き競争を避けるため、見積書を作成せず口頭での値引きを提示してくる場合もある。当然その値引きそのものは有効なのだが、他店では見積書がないと信ぴょう性が低いとみられることがあるかもしれない。

また「今日契約を決めてくれれば特別に○○万円まで値引きします」なんて言ってくる場合もある。これも値引き競争を終わらせるための作戦だ。もちろん、その条件で良ければ契約してもいいのだけれど。

とにかく販売店はさまざまな工夫をして値引き競争を避けたいし、そのくせ他店を出し抜いて販売したいのだ。そのため、交渉を終わらせるためのアクションを仕掛けてくるのがほとんどだ。しかしここはぐっと堪えて交渉を繰り返そう。

経済の基本的な原則を忘れずに

販売店はお客のために出店しているわけではない。売りたいから出店しているのだ。大幅な値引きをしてでも「売りたいから」売るのだ。ボランティアでお金の負担を軽くしてくれているわけではない。

たとえ一時的な赤字で販売したとしても、全体では利益があるからその商売が成立しているのだ。我々消費者がより良い条件を選択するのは当然だし、それが自由競争という健康な状態だ。

セールスマンとは対立する立場にはないのだ。消費者はできるだけ好条件で購入したいし、セールスマンも自社で購入してもらえるよう好条件を提案する。お互い協力し合って好条件で購入できればみんなハッピーだ。

具体的な例(おまけ)

本当に良いお店は、向こうから好条件を提示してくる

上記のとおり良いお店というのは、好条件で販売したいと思っているお店のことだが、そういうお店はこちらが何か条件を考えたり努力をしなくとも、好条件を提案してくる努力をしてくるものだ。

実際、一番条件の良いお店を絞った段階で、他のディーラーに断りの連絡を入れたことがあった。わざわざ断りの連絡をしてくる客は珍しい。心理的に客とて断りずらいものだ。普通はほったらかしにしておいて、電話がかかってきたら「他で決めました」と答えるぐらいだろう。

一緒に値引きという戦いを戦ってきた戦友みたいな(笑)ものだから、無言で引き上げる気になれなかった。気まずかったが、セールスマンの方の貴重な時間を思うと早めに連絡しておこうと。

私の購入したディーラーはそこからが違った。断る前にもう一度チャンスが欲しい、と提案してきたのだ。

ディーラーはおそらく色々工夫をしたのだろう。私の望む条件を全て叶えた状態で販売の約束を提案してきたのだ。今度は購入予定だった店舗に連絡し、上記の条件を伝えたうえで断りの報告をした。他店は「その条件にはかないません」といった返事だったので、これでスッキリ契約に進む事が出来た。

店舗側の価格決定は結局わからない

素人の私とて、その価格では利益はほとんど無いか赤字じゃなかろうかと思った。思ったのだが、在庫車両を捌けたかっただけかもしれないし、ノルマ達成のためセールスマンの方が無茶したのかもしれない。

どういった事情で価格が決まったのか、おそらく普通の購入者には分かることはないだろう。

よく決算期だから、とかモデルチェンジの噂が流始めたら、とかそれらしい話を聞くが、正直そんな都合のいい「攻略法」があるとは思えない。

その時の会社の方針や経営の具合、在庫車両や競合店とのバランス、セールスマンの能力ややる気(笑)、その他複合的な要因で契約が決まるのだ。

攻略というよりセールスマンの方とは敵対するのではなく、共に戦う仲間としてベストな契約を目指し協力し合うのが正攻法なのじゃないかな。

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