イームズのシェルチェアの正規販売店は現時点ではハーマンミラーだ(2010年まではヴィトラ社が製造)。一方このモダニカはリプロダクトということになるだろうか。モダニカが販売された時点では、ハーマンミラーのシェルチェアにグラスファイバーは入っていなかった。ハーマンミラーはプラスチック(ポリプロピレン)の柔らかい座り心地であったため、剛性感の高いファイバー入りのシェルチェアを求めるとなるとヴィンテージしか選択肢が無かった。
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新品で手に入るグラスファイバー製のモダニカ
モダニカのシェルチェアについて。オリジナルのイームズのシェルチェアの金型を買い取ったゼニス社が、当時と同じようにグラスファイバーで作ったものだ。モダニカの刻印があるものの、金型とグラスファイバーという点では、なんらオリジナルと変わらない。むしろプラスチックの柔らかいハーマンミラー製よりオリジナルに忠実なのではないかとさえ思えた。ライセンス的には正規品ではないが、当時のオリジナルの金型を使うのなら物理的にはオリジナルといえるのでは。購入してみてグラスファイバー入りが好みなのだとあらためて感じた。
正規ハーマンミラーからグラスファイバー入りが販売開始
なんとハーマンミラーからグラスファイバー入りのシェルチェアが販売開始になった。選択肢の少ないヴィンテージを探さなくても新品でファイバー入りのシェルチェアが、しかも正規品で手に入る!さっそく丸の内のハーマンミラーを覗いてみた。うん、やはりシェルチェアはファイバーが入っていた方がいい。少々無理してでもハーマンミラーで手に入れたいものだ。
モダニカとハーマンミラーの違い
ちなみにダウェルベース(木の脚)を購入したのだが、ハーマンミラー製のダウェルベースは芯に金属が入っている。強度のためだそうだ(丸の内のスタッフの方のお話)。モダニカのは無垢の木だったがどちらのほうが堅牢なのだろうか。ほかにも決定的な違いがあった。脚の長さがモダニカのほうが長く、そのせいでモダニカのはやや後ろに倒れた姿勢になる。太ももがシェルに当たるので浅く座りたい場合は難しいかもしれない。DKRのメッシュチェアとの比較してみたが角度が違う。モダニカのほうが背もたれ側に下がっているのがわかる。そのため座面の高さも違って感じる。シェルそのものの形に違いはないのかもしれないが、脚の取り付け角度により微細な違いがある。この辺は体型や好みの問題なので両方座って確かめるべきだろう。