ハーフサイズカメラのダイヤル35。撮影に必要な動力の全てをゼンマイで行う。フィルムを横に装填することにより、ハーフサイズでありながら横長で撮れる。通常の1枚を半分ずつ撮影することにより2倍の枚数を撮影できるのがハーフサイズカメラ。フィルムの価格が高い現在ありがたい方式。
ハーフサイズについて詳しくは当ブログハーフサイズカメラとはを参照。
フィルムが横に装填されている。カメラを縦に構えてるだけとも言えるが。ボタン電池が見えているが露出計のための電力で撮影そのものには動力を与えていない。
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動力は全てゼンマイ
持ち手に大きなノブがついている。これがゼンマイを巻くためのノブだ。WIND UPという表記と回転方向(時計回り)が印字されている。ゼンマイを巻いておくと連続でシャッターが切れる。
シャッターだけではない。撮影後にフィルムを巻き戻す際の動力にもなる。この大きなノブを巻いて、カメラ側面のRボタンを押しながら右に回転させるとフィルムが巻き戻る。カウンターの数字をみて巻き戻ったのが確認できたらOKだ。
36枚取りだとフィルムが長いので、ゼンマイを何度か巻かないとならない。この手間も楽しむべきだろう。
ISO感度とシャッタースピードと絞り
フィルムのISO感度に合わせてレンズ周辺の透明なパーツを回転させる。ISO感度は80から125と表記してあり幅がある。大雑把な感じだ。撮影が終わるまではフィルムに合わせたISOを設定を変更することはないだろう。
シャッタースピードはレンズの一番外側の円形のフレームを回転させる。ボディに黒い線があるので、そこに数値を合わせてシャッタースピードを決める。このカメラはシャッタースピード優先のオートマチックだ。つまり絞りが後から調整される。設定したシャッタースピードがおなじたとしたら、明るい被写体なら絞って光を抑える、暗ければ絞りを開放して多くの光を取り入れる。
シャッタースピード優先のカメラというのも珍しい。
ピントについて
ピントを合わせるレバーが付いているが、これも大雑把なものだ。ロモとかと同じでなんとなく合わせるだけだ。
一応絞りを手動で調整する機構もある。シャッター上の黒い小さなノブだ。これを引き上げて回転させれば絞りを手動でコントロールできる。露出計を見ながらのマニュアルカメラとしての操作になる。カメラの露出を理解していればそれほど難しくはないと思うが、このカメラのコンセプトを考えると、簡単にパッと撮りたいユーザーの方が多そうだ。ほとんど使われることのないノブかもしれない。
通常は押し込んでおく。
見た目がかわいいハーフサイズカメラ
こんなデザイン他にない。ゼンマイを巻く動作がそのままデザインに活かされている独特なカメラだ。そもそもダイヤルというものを最近は目にしなくなった。
デジタルデータだけに頼らず、たまには写真をフィルムで物理的に保存するのもいいと思う。祖父母の時代の写真が残ってる家庭が多いのも、フィルムが堅牢だからだと思う。コストがかかるがそんな時ハーフサイズのカメラが役に立つ。