ハーフサイズカメラとは通常の35mmフィルムの一コマを半分にしたサイズで撮影するカメラだ。通常一コマのところ二枚撮れる。つまり倍の枚数撮影可能なのだ。通常のカメラより多く撮影できるメリットがあるものの、解像感や画角においてはデメリットと言える部分もある。またプリントにおいては枚数分だけ料金がかかるのが普通なので、72枚撮影すれば72枚分の料金がかかる。少し前なら同時プリントというセット価格の商品があった。それなら同時プリントで設定されている価格で72枚全部プリントしているお店もあった。
目次
おすすめのハーフサイズカメラ
- オリンパス ペンシリーズ
- キヤノン ダイヤル35
- 京セラ サムライ
- リコー オートハーフ
- (番外編)ゴールデンハーフ
1960年代から80年代ごろあたりまで色々なハーフサイズカメラが販売された。フィルムが高価だった時代、二倍撮れるハーフサイズカメラは大ヒットした。そしてフィルムが廉価になりハーフサイズのメリットも薄れてくると、デジカメの台頭によりさらに低コスト化が進み、ハーフサイズのカメラはすっかり見なくなってしまった。それでも今手に入れるなら専門店で整備されたカメラがいいだろう。
オリンパスのPENシリーズ。特にPEN-FTがすばらしい(当ブログのこのページOLYMPUS PEN-FTも参照)。一眼レフなので見たままを撮影できる。ピントも絞りも仕上がりにかなり近い見え方だ。交換レンズにより望遠も広角もマクロも撮影できる。ハーフサイズのカメラにマニュアルカメラの機能を全て詰め込んだ感じだ。
キヤノンのダイヤル35は手軽に撮れるかわいいカメラだ(当ブログのこのページダイヤル35(ハーフサイズカメラ)も参照)。ダイヤルに見えるデザインも奇抜だが、手元のゼンマイを動力としているギミックも面白い。とにかく個性的なカメラで、撮影そのものを楽しむ、そんなカメラだ。撮影も簡単なので入門用にもいいかもしれない。
京セラのサムライはこれまた個性的なカメラだ。まるで80年代のビデオカメラのようなフォルム。電池を動力としたオートマチック一眼レフだ。オートフォーカスやズームレンズを備え実用性は高い。フィルムも横に装填するので見慣れた横長のファインダーで撮影できる。昔のハイテクっぽい設計が好きな人にはぴったり。
リコーのオートハーフはとにかくコンパクト。今でいうトイカメラのポジションに近いのではないだろうか。誰でも撮れることをコンセプトに開発され、なんと固定ピントのパンフォーカス(使い捨てカメラの写ルンですを知っているだろうか。あれと同じく全体にピントが合う)で、何代目かではボディのデザインバリエーションが出たりでファッション性の高いカメラだった。とにかく押せば撮れる、そんなカメラだ。
ゴールデンハーフは新品で手に入るトイカメラだ。HOLGAなどに馴染みがある人なら抵抗なく使えるだろう。トイカメラだからと言ってあなどれない。絞りが調整できたりホットシューがついていたり意外と真面目な作りだ。手軽にハーフサイズを楽しむのには良いかもしれない。
今ハーフサイズカメラを使うなら
72枚全てをプリントするのはコストがかかりすぎる。そこでフィルムの現像プラス、インデックスプリントかCD−Rで写真を確認してから、プリントしたい写真を選んで再度ネガをラボに持ち込む。もしくは通常のLサイズに2枚そのままプリントしてもらえば36枚で収まる。自宅でネガをスキャン(アマゾンへのリンク)できるならそれもいいかもしれない。数さえ撮れれば良いというのならSDカードなりiPhoneの容量なりには敵わない。でもフィルムでたくさん撮りたい、という需要にはまだまだ有用だ。
フィルムの物理的な特性を楽しみたい、画を楽しみたい、でもコストが。そんな人には最適なカメラだと思う。
デジタルデータで手軽に記録するのは便利だけれど、100年もデータが持つだろうか。フィルムで物理的に保存するのもたまには悪くないと思う。おじいさんの写真が残っている家庭もあるぐらいだし。