家計簿のつけかた

目次

家計簿をつける意味・目的

家計簿アプリはいらない

なぜ家計簿をつけるのか。過去を振り返って自分のお金の使い方を知るだけなら、日記感覚で記録を付けるだけでいい。
でも過去の消費から未来を予測してリスクに備えるなら、記録をつけるだけでは役に立たない。
出費の予定を立てて、ある程度の計画が必要だ。

今年こそ家計簿をつけるぞ!なんて声がよく聞こえるが、つけるのが目的ではないのだ。計画を立てるための材料の1つだ。

節約術

入ってくるお金より、出て行くお金のほうが少なければ、収入に関係なく貯金ができるだろう。
入ってくるお金を増やすのには仕事で稼ぐ、バイトを増やす、など方法としてはシンプルだ。
出て行くお金を少なくするには節約をするのだが、問題は節約の仕方だ。10円節約するためにクルマでとなり町のスーパーに行くようでは、かえってコストがかかる。

節約の気分に酔わないよう、ちゃんと数字を見たい。
頑張ってるのにコストがかかるようでは苦労するだけして損だ。

エクセルを使う理由

エクセルを使うのは計算ミスを減らすためだ。ただそれだけに尽きる。美しいグラフが見たいわけでもない、マクロで未来予測ができるわけでもない。
何度も電卓を叩くとヒューマンエラーの確率が大きくなる。計算の最初の方でミスすると、修正するのに多く遡らなければならなくなる。負担もリスクも大きい。だからエクセルを使うのだ。

具体的な家計簿のつけかた

記録する項目の考え方

年間のスケジュールを調べる。何月にいくら支払いが決まっているのか。税金や車検など年間支払いがあるものをリストアップする。それを12で割るとひと月分のコストが分かる。
なぜ12で割るのかというと、多くの人は月々の収入があるからだ。12の単位で計画を立てるのは合理的だ。

さらに月々の支払いと期日をリストアップする。家賃や光熱費などだ。
その他月間を通して不定期で使うものなど、例えば飲み会や外食などは、月頭に予算を決めてしまう。
この予算を決める、というのが重要なのだ。
予算の理に適った理由は、月々の収入や支払いから合理的に決まるものなのだ。

予算には説明できる理由がある。そしてそのスケジュールを守る努力と工夫をすること。

どんぶり勘定とは

例えば1,000円単位は特に意識しない買い物をしている人も多くいると思う。何となくコンビニで買い物をした、衝動買いで本を買った、いつもより多く飲んでしまった、予定になかった外食を家族でした、などひと月のうち1度ぐらいありそうな出費だ。

でもよく考えると、多くの人のお給料はひと月あたり数十万円という単位だろう。そこから千円の単位を見てみると、1%に相当する。千円を意識しないで10回ほど買い物をすれば、収入の10%ものズレが生じる。

五千円以上だと1万円を意識するから気をつける人は多いと思うが、五千円以下の千円単位の買い物に無頓着な人は、ひと月あたり10%、1年でひと月分の給料に相当するムダ使いをしている可能性がある。

お給料も月に100万ぐらいの手取りがあれば良いが、それが50万ぐらいだとやはり5000円以下の買い物あたりがボーダーラインになってくる。

どんぶり勘定という言葉の意味と破壊力は、実際に計算してみないと実感としてはなかなか感じにくいように思う。

予算もまた同じ。1000円単位の精度で見積もらないと、誤差が10%を超えることだってあるだろう。
計算ミスなんてもっての他だ。
だから計算はエクセルに任せておくのがいい。

お小遣いという曖昧な項目は危険

お小遣いとはいったい何なのか。
カードの支払いとは、カードで買い物をした総合の出費であって、カードという商品があるわけでは無い。
お小遣いも、その内訳に合理的な理由が必要だ。マンガを買うからいくら必要、タバコを吸うからいくら必要、といった具合に。自由に使っていいお金、なんて項目はあってはならない。せっかくの計画が台無しになる。例えばお小遣いが5万、手取りが50万の人だとすると10%の精度を諦めている事と同じになる。他でいくら精度の高い計画を立てていても毎月10%はコントロール不可として計画できない項目になってしまう。

貯金の額を決める

とは言え急な出費に備える項目は欲しい。それが貯金の額を決める合理的な理由になる。
欲しい物を買う為の貯金とは別に、保険や備えの意味での貯金だ。クルマや学費などは年間通じて予算の中で決めるべきであって、それは貯金というより、未来の出費を月割りで積み立てているようなものだ。いつ買うかを先に決めてあるのなら今すぐ予算に組み込むべきだろう。

それとは別の、本当の意味での貯金。
公務員なら貯金という備えは少なくてもいいかもしれない。必要なものを手に入れるために月割りで積み立てればいい。
自営業ならそうはいかないだろう。
欲しいものの為に積み立てたお金が、突然の売り上げ減により補填されるかもしれない。

貯金は安心のための数値、それ以外は積み立てたなのだ、と貯金の内訳にも合理的な理由が必要だ。

実際の生活が始まったら

予算と出費のズレ

基本的にはスケジュールどおり生活しよう。予算の中でやりくりして生活するのだ。日々のやりくりは予算を立てる技術とはまた別のスキルだろう。
献立の一週間分の予算が決まっていれば、その献立に必要な食材を買わなければならない。
栄養のバランスも考えたうえで予算を守る。
家計簿とはまったく別のスキルだ。

安いスーパーをさがす、全て手作りせず一部惣菜を使う、たまの楽しみに外食もできるようにする、こういった工夫やプランは、ときとしてスケジュールとは違った出費になることもある。

実際の出費を記録してスケジュールをアップデートしよう

従来みながつけている、いわゆる家計簿をつけよう。
今日は何にいくら使った、と。
自分と家族が把握できればいいので細かく商品をわける必要はない。大事なのは予算と実際の出費のズレを正しく知っておく事だ。

使い過ぎたらその自覚が必要だし、そういった精神的な事だけじゃなく、途中で微調整して全体で予算を守れるようズレを把握しておくのだ。
その日1000円多く使ってしまったのなら、その1000円をどこで調整するかを考える。そして調整後のプランをエクセルに反映させるのだ。

こうして予定表は日々アップデートされていく。
アップデートされたエクセルの合計項目がマイナスになるタイミングがあれば、それは計画が破綻しているわけだから見直さないとならない。
赤字はなるべく早く知って、早めに計画を調整する。

もちろん予定より出費が少ない事だってある。
お金が余るわけだから、それはそのまま放っておいて良い。予算が余ったからといって使わなければならない理由はない。
予算内に収める、という目標は達成されているのだから。
余ったお金を別の項目に上乗せしたりすると、スケジュールの意味がなくなるのでやってはならない。

集計

こうして月末を迎える。
立てた計画とどれぐらい実際の出費が違ったか。
まずは額が赤字になっていない事を目標にしよう。
細かい項目はいいではないか。ハンバーグを食べたい日もあれば卵かけご飯を食べたい時だってある。項目は予算を立てるための材料であって、目的ではない。
集計して振り返ろう。そして次月に活かそう。

未来の予定表

家族全員と計画を共有しよう

家計簿は事後の記録だとすれば、このスケジュール表は予定簿とか未来簿とか言うべきだろう。
そして出来上がったスケジュールを家族と共有し、努力には合理的な理由がある事を知っておいたほうがいい。
やみくもにお小遣いが欲しいとか、これぐらい買ってもいいでしょ、という家族の希望に対して説得するエネルギーは決して小さくない。そのうえケンカの原因にもなる。ただケチなのではない、合理的な理由がある。それを家族と共にする事により、節約という行為もケンカではなく、団結する材料になるはずなのだ。

おすすめ

また奥さんがアルバイトを始めたりする家庭もあると思う。気をつけないといけないポイントは、バイトをしているからと言ってかえって気が大きくなってしまったりすることがある。アルバイトの場合、収入の額が小さいので誤差の割合も大きくなりがちだから余計に気をつけなければならない。

お金って何?


こうやって事細かにプランを立てて生涯を共にするお金。多くあれば人生の選択肢にゆとりが得られる便利な道具、それがお金。

ただお金がないからと言って家族が責め合ったりするのは避けるべきだ。家族全員が力を合わせて取り組む問題だ。子供がいればお金の教育にしたい。夫婦間で金銭感覚が違っていればすり合わせたい。
道具をうまく使いこなせるようトレーニングするつもりで、家計、いわばお金と上手に付き合えればと思う。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする