エフェクター向け電子工作入門 工具編

ギターも弾ける、エフェクターも使える、けどハンダごてなんて握った事ないよ!という人は多いと思う。
またこのページでは電子パーツそのものの解説は省略している。あくまでも組み立てに必要な知識として、工具類の解説に限定している。
パーツについてはエフェクター向け電子工作入門 パーツ編にて簡単に記載してある。

基板以外の基本的なエフェクターの配線については当ブログのエフェクターの基板以外の配線についてを見て欲しい。

目次

エフェクターを自作するための工具

最低限必要な工具

  • テスター
  • ハンダごて
  • ハンダ(ヤニ入り スズ60%鉛40% 融点が180度から190度)
  • ニッパー(主に配線を切る)

ケースの加工に必要な工具

  • 万能作業台(バイスで固定するための作業台)
  • 電動ドリル(もしくはインパクトドリル)
  • 電動用のステップドリル(段階的に穴を大きく空けるための刃)
  • 手動でやる用のセンターポンチ(尖った棒でケースに窪みをつける)
  • 手動でやる用のリーマー(テーパー状に刃がついた、穴を拡張するための工具)

組み立てに必要な工具

  • 六角レンチ
  • プラスドライバー

以下にアマゾンで購入できる工具類をまとめてみた

作業手順

ユニバーサル基板にパーツをレイアウトするまえに、マジックペンで配線を描いておくと間違いが減るのでおすすめだ。
どのパーツから配置しても構わないが、パーツの足を配線に利用するので、どうせなら音の入力から出力へ向けて配置していくと合理的だろう。
基板にパーツを刺してハンダで固定。伸びた足を曲げて次へつなげる。余ればニッパーで切り落とそう。
熱に弱いパーツなど、例えばトランジスタをハンダ付けする際、ヒートクリップというものを使うといい。素子と足の間をクリップで挟む事により熱がクリップに逃げて素子に伝えにくくする。
ボリュームポットやトグルスイッチなどは別として、基板に最低限存在する9V、GND、音のINとOUTの4つ。これらは電源とスイッチやジャックに接続されるので、配線を長めにしてケースに組み込む際、適切な長さに切ったほうが良いだろう。

スイッチとジャック類を、穴あけ加工済みのケースに固定しておく。基板とは関係ない、例えば電池用のスナップとかの接続を済ませておく。ボリュームとかは先に基板と繋いでおいて、あとでケースに固定するほうのがいいだろう。

ちなみに基板をケースに組み込む前に、ちゃんと音がでるか確認したほうがいい。音がでない時の原因の切り分けにもなる。9VとGNDを電池スナップのプラスとマイナスに繋いで、INにギターを、OUTにアンプをつなぐ。この時グラウンドを接続するのを忘れないように。

ケースの加工について

ケースに収納して使う場合、ボリュームポットやスイッチ、ジャック、電池のスペースを考慮してそのサイズを決める。基板が小さくてもボリュームポットは意外と大きいので注意が必要だ。
基板の固定方法だが、よくやるのがボリュームポットを基板に直接刺して、ボリュームポットをケースに固定する事により基板を固定する方法。配線が少なくて済むので省スペースだし固定もしっかりしたものになる。デメリットとしては、ケースに空ける穴の位置がシビアになる。ボリュームポットが二つぐらいならいいが、それ以上だとズレやすくなる。
ケースに穴を空けるためには、ケースを固定しておく万能作業台が必要になる。バイス(万力)でケースを固定してドリルか手作業で穴を空ける。このとき鉄工用のドリルで穴をあけるのはよくない。いきなり大きな穴は空けられないからだ。無理をすると刃がケースに食いついて怪我をする可能性もある。絶対にやらないほうがいい。
ステップドリルで削りながら段階的に穴の大きさを拡張していくのがよい。あるいはセンターポンチで穴の位置を確定させ、小さな穴をピンバイスで手で開けたあとリーマーで手動で空ける。
そもそも穴あけは手間がかかるので、最初から穴が空いているケースを買うのも一つの手だ。桜屋電気などは、ケースのサイズや色が豊富なだけでなく、穴の数も何種類か用意があるので大体のエフェクターなら対応できるはずだ。

テスターについて

主に通電チェックに使う事が多い。ハンダによる接続ミスの箇所を見つけたりできる。通電したときに音が出るタイプのものがあるので、そういったテスターを用意したほうがいい。また電圧チェックにも使う。ファズなんかだとトランジスタにかかる電圧が適正でないとうまく音がでない。厳密な説明は省くが、例えば電源が9Vの場合、電圧を中央の4.5Vに持ってきてそこにギターの交流をのせてやると振幅がプラス側もマイナス側もカットされずに出る。これが中央でない場合、プラス側かマイナス側か、どちらかが9Vの幅をはみ出してしまい、波形がカットされてしまう(これはこれでそういう設計の回路なら問題ないが)。設計通り分圧されているかチェックするためにもテスターは欠かせない。

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